ころまろ☆辛口エンタメ塾

毒舌ネットコメンテーターのサブカル話。たまに愛。

【昭和63年の今頃の話53】早すぎた必殺技【アクセルとシリバス】

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※ここは常に30年前の話をするカテゴリイです

 

1988年は五輪イヤーであり、尚かつ自由主義と共産主義がスポーツの面でも争っておりましたので、何だかもう凄い事になっておりました。

 

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伊藤みどりがトリプルアクセルを成功させる

 

紀平梨花のトリプルアクセル(フィギュアスケートの3回転半ジャンプ)が話題になっていますが、女子選手で初めてそれを決めたのは、皆さんご存知の通り、伊藤みどりです。彼女は1988年のNHK杯でそれを達成しました。

 

彼女はその大会のエキシビジョンの3回目(!)のアンコールでトリプルアクセルを飛んだのですが、これは音楽無し「トリプルアクセル&スピン」だけという、まさに技一品勝負のものでした。

 


Midori Ito 1987-1988 Exhibition ~Air on G string~

 

・・・で、最初は『回りすぎて』失敗するのですが(笑)、その後、自ら観客をあおって再チャレンジに挑みます。そして見事に成功したそのジャンプは、正に「居合い抜き」のような凄さでした。ジャンプ一発で観客を満足させたあの日の伊藤みどりは、本当に輝いていましたね。

 

『今の衣装と軽量化されたシューズを当時の伊藤みどりさんが用いたら5回転ジャンプできます』村主章枝

 

僕より伊藤みどりは一つ上でありまして、なんというか大切な「同世代の英雄」の一人なのです。だからこそ彼女には幸せでいてほしいなといつも願っています。

 

 

シリバスがシリバスを成功させる

 

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相模原出身の村上茉愛のシリバス(体操床運動での二回宙返り二回ひねり)が話題になっていますが、これを初めて決めたのはルーマニアの体操選手ダニエラ・シリバスです。彼女は1988年のソウル五輪でそれを達成しました。30年前・・・まさに早すぎた21世紀なわけです。

 

しかしながら、シリバスがそれを決めた際に着地が乱れたのです。彼女を優勝させたくなかったソ連(とその仲間たち)の審判は、それを理由にして、この演技に極端に低い点(9.90)をつけました。結果、彼女は宿願だった個人タイトルを僅かな差で逸することになってしまったのです。

 


Daniela Silivas FX 1988 Seoul Team Free

 

大人の事情と言うにはあまりにもむごい話なんですよね。ようやく「E難度」が取り入れられた大会において、しかも当時の床器材にて、現在の「H難度」の技をやったわけですから、これはもう体操競技の限界を突き抜けた、いわば異次元の技だったのですよ。その偉業に対して・・・ほんと、ありえない得点に僕はとても失望しました。

 

忖度的な偏向採点

 

僕はソウルの前後の4年間くらいシリバスの体操を見ていましたが、彼女が(規定と自由両方含めて)床演技で10点じゃなかったのはこのとき限りでした。そして残念なことに『シリバス本人がシリバスを披露』したのは、この一回限りになってしまったのです。

 

偏向採点というのは今でもある事ですが、採点競技って言うのはジャッジの「技術に対する確かな目」と、「芸術に対する審美眼」と、そして「不正を憎む誠実な心」があるからこそ成り立つものだと信じています。そしてそうあってほしいものですね。

 

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※シリバスの宿命のライバルでソウル五輪女子個人総合覇者であるエレーナ・シュシュノワが、今年の8月に肺炎の合併症で亡くなっていたことを知りました。一つの青春。その喪失感。さよならシュシュノワ。

 

 

 

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