ころまろ☆辛口エンタメ塾

毒舌ネットコメンテーターのサブカル話。たまに愛。

【昭和63年の今頃の話(最終回)】W村上【春樹と龍】

スポンサーリンク

※ここは常に30年前の話をするカテゴリイです。

30年前の今頃、村上春樹氏と村上龍氏の「W村上」が売れまくっておりました。一見タイプの異なる二人ですが、デビュー前からの知り合いで仲は良好です。2人は対談本(『ウォーク・ドント・ラン』)を出したり、龍氏が春樹氏に子猫を譲ったりもしてますね。ちなみに春樹氏のベストセラーである『ノルウェイの森』に登場する『美大生伊東』は、龍氏がモデルだとされています。

 


村上春樹

 

前年からの「ノルウェイの森」のブームはまだ続いておりました (本人はメディア露出せず)。そしてその熱も冷めないままに長編の新作「ダンス・ダンス・ダンス」が発売されました。今の村上春樹からは考えられない出版ペースです。やっぱり若かったということでしょうね。

『ダンス・ダンス・ダンス』

f:id:koromaro:20200429152953j:plain

 

羊シリーズの最終作にあたる作品ですね。超リアリズムだった「ノルウェイの森」に対して、「ダンス・ダンス・ダンス」の、いかにも村上春樹的な文体は、新しいファンには逆に戸惑いをもって受け止められていた感じがします。

この作品は1983年の設定なので、そこに出てくる様々な文化を、僕もリアルタイム性を持って感じる事が出来ました。

『1973年のピンボール』も『ノルウェイの森』も、僕が物心つく前の時期の話でしたからね。だからこの『ダンス・ダンス・ダンス』という小説を、あれから30年経った今読むと、あの80年代バブル前の空気感を、当時の自分の記憶とも重ねて、深く感じ読む事が出来るのです。

 

そういえばこの作品。数ある村上春樹作品の中でも、特に男性向けの作品じゃないかなあと感じたりしますね。そんな訳で僕も大好きな作品です。

 

 

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

f:id:koromaro:20200429153124j:plain

 

村上春樹氏の最高傑作という声も高い作品。この作品が文庫化されたのがちょうどこの時期でした。そういやこれは「ダンス・ダンス・ダンス」とは対極に「女性的な作品」のような気がします。

 

名曲「ダニーボーイ」が物凄く印象的に使われていた小説。当時、AGFコーヒーがこの曲をBGMにした「エドワードホッパー風のCM」展開をしていましたので、双方がとても心に残っていますね。

 

※CMはストーリー仕立てになっています

 

ダニーボーイは、高校3年の秋の日の僕のテーマになってます。もう完全に地元を離れるつもりでしたから、僕自身がダニーボーイだったんですね。

 

村上龍

 

当時はこの人の本もたくさん読みました。訳の解らないテニスの実践本とかも含めてですね(笑)。姿を全く見せない春樹とは違い、龍の方はメディアにも出まくりでした。

 

『トパーズ』

f:id:koromaro:20200429152600j:plain

 

感想自粛。

 

 

『愛と幻想のファシズム』

f:id:koromaro:20200429152700j:plain

 

上下巻の大作でありまして、これを読んだ春樹氏が刺激を受けて「ノルウェイの森」を書いたという逸話があります。また庵野秀明氏の『新世紀エヴァンゲリオン』に大きな影響を与えた作品としても有名ですね。

 

内容は元ハンターのカリスマが政治結社を用いて、日本を米ソと対等な第3の極に再構築していくという話です。同氏の前作『コインロッカーベイビーズ』との関連性も感じさせる作品ですね。

 

装丁が「女性ボディービルダーのリサライオンをビデオキャプチャーした横尾忠則の作品」で、これがまた凄くカッコ良いですね。

 

 

『すべての男は消耗品である』

f:id:koromaro:20200429152726j:plain

村上龍氏

のエッセイです。一見『女性讃歌』のようでいて、基本的には『俺様系の自慢話』なのですが、当時の僕(根拠なき自信系)は共感して読んでました。

しかしこれって1984年から2013年までの30年間も続いていたんですね。それが驚きです。尽きることのない俺様話・・・その引き出しの多さというものに。

 

 

『Ryu's Bar 気ままにいい夜』

f:id:koromaro:20200429152755j:plain

村上龍氏のトーク番組です。いきなりのバド・パウエルに苦笑する人は苦笑してしまうのでしょうが・・・僕はこの番組がとても気に入っていて、たぶん全部視たんじゃないかなと思います。

ざっと思い出すゲストは、大島渚、忌野清志郎、坂本龍一、山田詠美、小室哲哉、斉藤由貴、宮本亜門、ロバート・デ・ニーロ、矢野顕子、佐野元春、前田日明、倍賞美津子、山本耀司あたりですね。何というか『アイドルならば斉藤由貴』のように、ちよっと一癖あるゲスト選定が良かったです。

 

そして一番印象に残ったのはこの年の横尾忠則がゲストの時の、

 

「『愛と幻想のファシズム』で横尾さんのリサライオンを表紙に使わせてもらったんですよ」(龍氏)

 

「ああ、あの本はタイトルは良かったね」(横尾忠則)

 

というやりとりでした。

 


Ryu's Bar 気ままにいい夜 ゲスト横尾忠則

 

村上龍氏は美大出身なのですが、彼の作品から、時折そういうものが匂ってくることがあるのです。作品のタイトルなんか特にそうですね。彼の著作のタイトルは、文芸作品のタイトルというより、むしろ美術作品のタイトルのような感じがしたりします。その成り立ちというか、視点の誘導の仕方が。

 

 

www.koromaro.com

 

www.koromaro.com

 

TOP

スポンサーリンク