ころまろ☆辛口エンタメ塾

毒舌ネットコメンテーターのサブカル話。たまに愛。

【平成元年の今頃の話6】吉祥寺のダニーボーイ&イカ天との遭遇

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※ここは常に30年前の話をするスレッドです。

 

なぜか今更、僕の受験時代を超長文で振り返るお話ですね。今回は、ほぼ個人的な東京滞在話です。

 

 

友人とアルタ前で再会

 

30年前のちょうど今ごろ、僕はムサビの試験のために上京しておりました。

先にデザイン系の試験を済ませた高校の友人と待ち合わせです。あの「笑っていいとも」のアルタ前で、高校の友人が自分を待っている・・・これがまた非日常な感じではありましたが、快晴の昼の新宿というものも悪くはないものです。

 

入り口付近で再会。がっちり握手。そのままアルタ地下の飲食店で会議とあいなりました。そこで友人は試験会場や実技試験内容、学科試験のレベル、大学周辺の様子など、実にためになる情報を教えてくれたのです。

 

これは有難かったというか、ほんと、まるで僕のために受験してくれたようなものだったのです。正に心の友ですね。まあ今となっては、そんな友人の名前を思い出すのに20秒くらいかかるわけですが・・・。

 

リクルート事件NTTルート

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「下見は絶対にしろよ」という友人と別れ、僕はその後、吉祥寺のホテルにチェックインしました。 ロビーでコーヒーを飲みながら各新聞に目を通しますと、リクルート事件はNTTルートに突入しているところでありました。

「NTT会長にも疑惑」という朝日新聞に対し、読売新聞の方は「NTT会長が不正を働く社員を一喝した」と、全く反対の事が書いてありましたので、これは強く印象に残ってますね。結局その会長は、そののちに受託収賄で逮捕されましたから、この報道に関しては朝日の勝利で終わったのです。

 

ムサビを下見

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その後、ムサビの下見に行ったわけですが、僕は西武国分寺線に衝撃を受けました。その時の僕は「基本山手線、応用中央線」でしたから「電車なんて5分もすればすぐ来るのがテクノポリス東京」という感覚でいたのです。ですので油断すると30分も間隔が開く国分寺線というのは、全く想定外の存在でした。飯坂電車かよという。

しかも下車する鷹の台駅からムサビまでがかなり遠いという・・・ちょっとした遠足とは言い過ぎですが、いきなり受験当日にこの道のりに出くわしたら、それはもう動揺必至の事だったでしょう。とりあえず下見して良かったと、それを勧めてくれた友人に心から感謝しました。

 

 

吉祥寺のダニーボーイ

 

吉祥寺のホテルに戻り、すぐ外出してアーケード街へ繰り出しました。お茶の香りが充満していて、なんとも悪くない雰囲気です。エドワードホッパー的都市感。そして井の頭公園。アンドリューワイエス的夕闇。消えていく今日の日・・・

 

「そういや『ノルウェイの森』に出てきた美大生伊東は吉祥寺に住んでいたな」

 

そんなわけで・・・僕は吉祥寺の雰囲気にやられてしまっていたというか、かなり感傷的な気持ちになっていたのです。一体僕は試験目前に何をしているのでしょう。どんなロマンチストなんだろうって話ですね。

そしてそんな感傷的な思いを決定的にしたのは、その夜、ホテルのバータイム (現役高校生がふらりと立ち寄っても許された時代) のピアノ演奏で、不意に「ダニーボーイ(ロンドンデリーの歌)」が流れたことでした。

 


AGFブレンディCM 80年代

この曲は当時、エドワードホッパーをモチーフにしたAGFのCMでも印象的に用いられておりまして、僕はそれがとても好きだったのです。さらにこの曲は、当時心の底からハマっていた村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」において、実に重要なシーンで用いられていた曲だったのですね。ですので当時の僕にとっては、この曲が自分自身のテーマ曲のような気持でいたのですよ。

 

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僕はピアニストのドレスの背中を眺めつつ、血のように濃いグラスワインを傾けながら、自分の中に情熱の炎が灯るのを感じておりました。「いよいよだな・・・」。そんな感じで吉祥寺の夜はふけていったのです。

 

イカ天第二回放送

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眠れぬ夜。ホテルでTVを点けますと、真夜中になんだか騒がしい番組をやっているのです。それは「平成名物テレビ 三宅裕司のいかすバンド天国」というものでした。暇つぶしに視ていると、どうやら「アマチュアバンドの勝ち抜きコンテスト番組」であり、さらにそれは「先週の第一回の生放送で落選バンドの女性ボーカルがパンツを脱いでしまった」という、今では考えられないようなふざけた番組だったのです。

さらに僕はその番組に出演していたある人物に目が留まりました。

 

「ひょっとして小原靖子?」

 

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三宅裕司さんのアシスタントとして立っていたのは「売れないアイドル小原靖子」にそっくりなショートカットの騒がしい女なのでした。その女は自分の事を「ボク」と呼び「相原勇」と名乗っていたのです。僕は訳が分からなくなりました。

しかしながら・・・まさかそんな変な番組が、その後、空前の大ブームを巻き起こし、さらには僕自身がそれに完全にハマる事になろうとは、その時は本当に夢にも思いもしませんでしたね。

 

つづく

 

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