ころまろ☆辛口エンタメ塾

毒舌ネットコメンテーターのサブカル話。たまに愛。

効かない麻酔!ヤブ医者!?「令和元年に語る平成元年の今頃の話24」最悪の誕生日(最終回)

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※ここは常に30年前の話をするカテゴリイです

 

さてさて、いまからちょうど30年前。

悪夢の19歳の誕生日話。盲腸手術編。その最終回です。

 

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明らかに麻酔が効いていない

 

なんというか「ゴリゴリ」っという感じで突き刺された脊髄注射の衝撃も覚めぬ中、僕は手術台へと移されました。そこで「あー痛かった」なんて考えているうちに、急ピッチで準備が進んでいき、いよいよメス・・・って、

「…あの、まだ下半身の感覚あるんですけど」

「え?もう大丈夫だよ。怖がらなくていいんだよ」
「いやマジでまだ麻酔がちゃんと効いてないような…」

「いいよいいよ、はじめるよ!」

 

プス!

 

「いででえででてってでででえええってててえ!」

 

チョキ!

 

「ぐわあ!効いてない!麻酔効いてない!」

 

ジョリ!

 

「ちょっとまって!まってまって!いででてえ!」

 

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恐怖の改造手術

 

この話って、結構誰も信じてくれないのですが、マジで麻酔が効いていなかったのです。まあ腹圧とかを考えれば、全く効いていないという事は無いんでしょうけど…でも痛みに関しては、それはもう、そのまんま拷問そのものであり、本能的に逃げ出そうと体を起こした僕は、インターンに体を押さえつけられました。その光景はまさに仮面ライダーの改造手術そのものでありました。

 

「いででで~!いたいよー!ちょっとまってくれ~!」

 

 

 

僕の叫びなどガン無視で手術を続ける医師達。止める気など1ミリもありません。あの運転手の最後の顔が頭をよぎります。その瞬間、僕はプッツンしてしまいました。

 

「いでででで~っ! 止めろー!人殺し!」
「ヤブ医者!いい加減にしろ!ヤブヤブヤブーッ!」
「俺はタクシーの運ちゃんに全部聞いたんだぞ!」
「ぐわー たすけてくれ~ ヤブ医者に殺される~!」
「いい加減にしろ!ぶっ殺すぞこの野郎!放しやがれ!」

 

 

 

まるで北尾光司のような暴言を吐きまくります。まさに病院では絶対に言ってはいけないタブー語のオンパレードで罵倒します。 

 

 意識が尽き誕生日が終わる

 

しかし全く動じないのが執刀しているリリーフランキー似なのでありました。

 

「ああ、もう最悪だ!俺は誕生日に死ぬんだ!いでで!」
「お前らのせいで痛い思いをして死ぬんだ!」
「なんて大損なんだ!なんでヤブ医者に殺されるんだ!」
「絶対許さねえ!一生恨んでやる! ぐはあ~」

 

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なんとも矛盾した滅茶苦茶な恨みつらみを叫んでいるうちに、ようやく麻酔が効いてきたのか、それとも死期が近づいてきたのか…僕の意識が混濁し始めました。

 

「お疲れさま~手術終了」

 

頭の上からリリーフランキー似のそんな声が聞こえてきたような気がしましたが、こちらはもう絶叫しすぎで息も絶え絶えなのであります。廊下に搬送されると、付き添ってくれていたジムモリソン男の顔が見えた気がしました。そして僕の意識はそこですうっと消えたのです。

それは僕の平成初の誕生日が終わった瞬間でもありました。

 

夢だったのか?

 

そして翌日。目が覚めると、そこは蒸し暑い大部屋の病室でありました(当時は間仕切りなどなかった)。

母親が上京しており、すでに様々な手続きを済ませてくれていたところでありました。そして回診に来たのはあのリリーフランキーです。しかし何事も無いような態度で、親にも丁寧に説明し、僕にも実に優しく接してくるのでありました。そのあまりにも普通の態度に、

 

『もしや昨日の罵倒は夢だったのかな?』
『いやそんな事は無いな・・・うむむ・・・?』

 

と、思わず悩んでしまうほどです。とりあえず態度は保留しておくことにしました。

 

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ジムモリソン男の証言

 

そして夕方になると、手術に付き添ってくれたジムモリソン男や、居候のマイケルムラカミたちが皆でお見舞いに来てくれました。昨日一日、俺を背負い引きずって助けてくれた素晴らしきジムモリソン男。そんな恩人に手術中の話を聞くと、

 

「ああ、お前、凄いでっかい声で叫んでたよ。『ヤブ医者!人殺し!』って」

 

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やはり昨日の事は事実なのでありました。 そして、それどころか、僕は手術後、心配して駆け寄った彼に対して、

 

「ちっ!手前も絶対に麻酔効かねからな~覚えとけよ」
「お前も酒飲むからな。絶対麻酔きかねえぞザマァミロ!」
「次はお前の番だからな~せいぜい苦しむがいいさ」

 

なんていうトンでもない暴言を吐いていたそうなのです。いやはや・・・どうしようもないね僕は・・・本当に最低野郎ですね。

 

もしかして、はらわたを引っ張り出されたさいに、ネジ巻き鳥クロニクル的な、何か邪悪なものまで出てきてしまったのでしょうか? うん。多分そんなわけない。

そしてそれに対して

 

「大変だったからな。別に気に病むことないよ」

 

と笑ってくれたジムモリソン男の男らしさ。彼が女性にもてる理由が改めて解ったというか・・・そして、それに甘えるしか術のない僕なのでありました。ははは・・・面目ない。

 

そんなわけで入院中も色々ありましたが、それは別の機会に譲るとして・・・何はともあれ 1989年7月29日。その日は間違いなく僕の『人生最悪の誕生日』であり、そしてそうであるがゆえに、そこにあった『友情の有難さ』というものが、本当に身に染みた一日でもあったのです。

 

あれから30年。遠い遠い遠い、あの夏。

おわり

 

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