ころまろ☆昭和45年男

毒舌ネットコメンテーターのサブカル話。たまに愛。

「渋谷のハロウィンコスプレはここから始まった!」令和元年に語る平成元年の今頃の話30「元祖ハロウィーンコスプレ後編」

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※ここは常に30年前の話をするカテゴリイです



そんなわけで30年前のハロウィン話のつづきですね。

 

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反応の薄い渋谷ハチ公前

 

ミッキーマウ〇とドラキュラと魔女とチンピラ(?)のコスプレをした僕ら四人は、山手線で渋谷駅まで行きました。そしてわざわざ地上へ出て、ハチ公前広場まで行ってみたのです・・・が、別にそこはいつもの夜の渋谷です。やはりコスプレ軍団など我々の他にはおりませんでした。

 

とはいえさすがは渋谷です。いかにも怪しい僕らの姿を観て「あ、今日はハロウィーンだっけ?」という声がどこからか聞こえてきました。新宿とはそこだけが違いました。ひそひそひそ。でもまあそんな程度です。

渋谷の反応の薄さに懲りた僕らは、下北のディスコへと急ぎました。

 

 

コスプレはワンアイテム

 

下北沢のディスコZOOにつきました。僕のディスコのイメージはマハラジャだったのですが、そこはすでに「クラブ」の原型だったというか「若者たちが大音量の音楽の中でごちゃごちゃと踊ったり、飲んだり、ナンパしたり、きめたりして騒いだりしているところ」になっていました。

 

僕は「ステージの上で仮装大賞をする」つもりでいましたので、全くイメージと異なる雰囲気にびっくりしました・・・が、そんな様子は都市生活者としておくびにも出しません。

 

そして「ハロウィーン仮装コンテスト」のはずなのに、ちゃんと仮装している人がほとんどいないのです。いいとこメイクがちょっとそれ風だったり、ダークなファッションをしていたり・・・ワンアイテムという感じです。


その中でばっちりと仮装を決めている僕やジムモリソン男は、記念撮影に引っ張りだこになりました。やはりミッキーもドラキュラも世界的スターですね。フラッシュを浴びて僕はさらにテンションが上がりました。

そんなこんなでしばらく騒いでいたのですが、いつの間にかジムモリソン男が姿を消し、ミドリちゃんも高校の知り合いを見つけてそちらに行ってしまいました。

 

案の定サトーがトラブルを起こす

 

「ちょっと座って飲むか?」僕はサトーに声をかけました。「ああ」と答えたサトーは一番近場のカウンターテーブルに座ります。

 

サトーの目の前に空になった氷入りのグラスと、誰かのタバコとライターと、さらには灰皿がありました。「あ、まずい!」と僕が思った瞬間、

 

「なんだこれは!」とサトーは言って、それらすべてを手で払いました。

 

有難いことにグラスは落ちも倒れもせず、さらには灰皿も横滑りで済んだのですが、しかしながらタバコは床に落ちました。

 

「なにすんだてめー!」

 

茶髪のロンT男が、サトーの前に立ちはだかりました。当然怒りまくってます。

どう考えてもサトーが悪いので、僕はタバコを拾い「ごめん、こいつ酔ってるんだよ。俺が謝るよ」と茶髪に手渡しました。

 

一瞬、怒りが収まったかに見えたのですが、その彼に向けてサトーが犬を追い払うように手で「しっしっ」としたのです。

 

「てめえ、なめてんのか!!」

 

 

若山富三郎似登場

 

その声を聞きつけて、奥のVIP席のようなところから「何とか連合」のような、ライダースジャケット姿のお兄様たちが続々とやってきてしまいました。その中のボス格らしき男は若山富三郎のような強烈な強面です。そして出会い頭に、

 

「なんだかミッ〇ーマウスも大変だねえ~」

 

と、超余裕の一言をかましてくれます。

 

『ああ、僕は何でサトーなんか連れてきてしまったんだ?』
『そういやジムモリソン男(超強い)は何やってるんだ?』

 

僕がわが身の悲劇をシェイスクピアばりに嘆いているのに、サトーは連合を完全に無視して「ツノダ、早く飲もうぜ」なんてぬかしやがります。さすがに僕も怒りがこみ上げてきました。

「サトー!お前が悪いんだよ。一言謝って席を譲れよ」

するとサトーはめんどくさそうに席から立ち上がり「ああ、悪かった」と謝りました。サトーはわりと僕の言う事は聞くのです。

「どうする?」若山富三郎が茶髪に声をかけますが、茶髪は納得しません。そしてその様子をみたサトーは「なんだこら!やんのか!」と再び戦闘モードになってしまいました。なんと言う事か・・・

 

 

ハロウィンの神降臨

 

『主よ!私をお助けください!』と僕が天を仰いだ刹那、ディスコの入り口から炸裂音が響き渡りました。

「襲撃だ~!」「ドドドドドドドドド!」



入り口からサングラスをかけた警備員の集団が、誘導棒を振り回しながら乱入してきたのです。その後ろからは迷彩服姿で機関銃のモデルガンを持ったやつらが続いて入ってきて、爆音を響かせながら掃射しています。

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ディスコは一気にドッカン大盛り上がりです。僕等もあっけに取られて、いざこざを一瞬忘れます。するとサングラス姿の警備員の一人が僕の方をみて固まりました。

 

そう、ハロウィーンの神は本当に僕に舞い降りたのです。

 

「ひょっとしてツノダ?」

「え?ナカムラとワカバヤシ?」

 

そうなんです。

 

 

この窮地で『仕事を終えてそのままハロウィーンに乱入してきた警備員たち』は僕の知り合いであり(迷彩軍団も全員)、さらに事実は小説より奇なりなことに、そのうちの二人はサトーのバンドのメンバーだったのです。僕等はお互いが今日ここに来ることを知らないうちに、全くの偶然に出くわしたのです。

 

 

というわけで一気に形勢が逆転になりました。そこまでその場にあった殺気というものは、ほとんど立ち消えておりました。若山富三郎は僕に

 

「ミッキーマ〇スはお友達が多いんだねえ・・・まあ、なるべく早く帰れよ」

 

と言い残し、奥の席へと戻っていきました。茶髪もサトーを睨みながらそのあとに続いて去っていきました。そうです僕はすんでのところで助かったのです。

 

 

ミドリちゃんの写真

 

その後、随分してからミドリちゃんから僕の実家にエアメールが来ました。『ツノダ君の写真がいっぱいあったから送るね』と送られてきた写真の中に、この日の写真もありました。そこに映っている僕の表情は、これがまたあまりにもテンションが高すぎて、自分でも恐怖を覚えてしまいました(該当写真は黒塗り)。自慢のミッキー鼻もそこには見当たりません。僕は安堵やら酒やらなんやらで、完全にプッツンしていたのでしょう。

 

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というわけで、ひとしきり騒いだ後に、若山富三郎の言いつけ通り、早めに帰ることにしました。ミドリちゃんは警備員軍団と家が近いので一緒に帰る事になりました。

 

それであとはジムモリソン男ですが・・・『なんでドラキュラの格好のやつがこんなに見つからないんだろう?』と、くまなくディスコを探した僕は、遂にバーカウンターの一番奥で

 

『ボディコン女と超親密なツーショットを決めているドラキュラ』

 

の後姿を発見しました。

 

「ああ、ツノダ、ひさしぶり!なにしてたの?」
「俺が大変な目にあっているときにお前ってやつは!」

 

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そんなわけで


「なんだよやれたのに」とぼやくジムモリソン男と「あんな奴に謝るなんて屈辱的だ」とキレるサトーを連れて、ぷんぷん怒りながら新兼荘に戻った1989年の10月31日。その日こそがまさに日本のハロウィンコスプレの始まった日でした。

ちなみに件の「仮装大賞」は警備員軍団が受賞したというオチまであります。今でいう地味コスプレの走りですかね(違う)。救われた身としては全く異存はありません。ちなみに商品は「入場無料」だったという・・・そんなもんだったのかという・・・まあいいですけどね。

 

そんなわけでサトーが撮ってくれた「ピンボケのミドリちゃんとのツーショット写真」を見ると、あのハロウィーンの日の思い出がなんとも懐かしく、そしてかけがえなく蘇るのです。

 

おわり

 

 

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