ころまろ☆昭和45年男

毒舌ネットコメンテーターのサブカル話。たまに愛。

【代々木駅前の謎の宗教団体】令和2年に語る平成2年の今頃の話その1「さよならのはじまり」

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ここは常に30年前の話をするカテゴリーです。

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平成元年の春に上京して新宿のボロアパートに住み、代々木の美術予備校に通っていたコロマロ(以下「僕」)は、バブル真っただ中の東京で初めて年明けを迎えました。

 

バブル頂点期

 

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バブルの真の絶頂期はいつだったのかと言いますと、それは平成元年12月~平成2年1月とされています。要は30年前のまさに今頃ですね。株価は史上最高値の38,915円まで上昇し、GDPも世界トップでした(今やアメリカの4分の1、中国の3分の1)

 

そしてそんな(見た目は)強固な経済に支えられて、僕らは夢に向かって無邪気に生きることが出来ていたのです。遊び、恋し、悩み、語り、飲む・・・そんなルーティンを繰り返しつつ、いよいよ受験シーズンに突入していきました。

 

登場人物

【ジムモリソン男】同じ芸大彫刻科を目指す親友。女性にモテまくり。
【サトー】シドビシャスもびっくりなほど破天荒な男。キレっぱやい。

【ミドリちゃん】予備校夜間クラスの高校2年生。僕等のマスコットガール。 

 

 

さよならミドリちゃん

 

冬休みの時期が終わると、予備校に夜間部の高校生たちも戻ってきました。夕方、僕とジムモリソン男がロビーに行くと、高2のミドリちゃんの周りに人だかりができています。僕等はそこで

 

「ミドリちゃんはアメリカに留学することになった。予備校に来れるのは今週が最後で、来週末にはアメリカに行ってしまう。少なくとも丸2年は帰ってこない」

 

という衝撃的な情報を知ったのです。ミドリちゃん曰く

「言うのが寂しくてギリギリになってしまった」

とのこと。

 

この話に、ミドリちゃんと特に親しかった僕とジムモリソン男は、完全に打ちのめされてしまいました。

 

「実は俺、ミドリちゃんが好きだったかも・・・」
「俺もだよ・・・」

 

最終日にみんなでNSビルに行くことを約束して、その場はお別れしました。やり場のない悲しみに包まれた僕等は、サトーに慰めてもらうために歌舞伎町で飲むことにしました。

 

ゾウのお面を被った男

 

当時、代々木駅の木久蔵ラーメンの前あたりに「ゾウのお面をかぶった男」が、時折姿を現すようになっていました。そして最初は何もせずただ立っているだけだったのですが、そのうちに変な冊子や「シンセサイザー演奏会への誘い」なんかを配り始めるようになっていたのです。要はあれですね。ハッキリ言ってオウム真理教ですね。

 

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その日、三人で飲むために代々木駅に行った僕らは、駅前が何だか大騒ぎになっている事に気が付きました。いつもは一人二人の「ゾウのお面の男」が、その日は数えられないほど沢山いて、ビラを配りまくっているのです。

 

そして改札のある方の逆側(アッシュドゥー側)には「真っ白な衣装を着た4人組の少女」が、選挙カーのようなものの上で、まるで「セイントフォー」のような奇妙な踊りを笑顔で踊っています

 

「なんだありゃ?」

 

試供品の缶コーヒー飲みつつ、その騒ぎを視ていますと、象のお面を半かぶりした薄気味悪い男が近づいてきました。

 

「今度シンセサイザーのコンサートがあるんですよ!皆様もよろしかったら・・・」

「うるせえな!」

 

ただでさえ新興宗教嫌いなのに、ミドリちゃんの事で不機嫌指数マックスだったジムモリソン男は、そいつにそう吐き捨てると、火のついたままのタバコをその男にポイと投げつけました。するとその男は

 

 

「君はそんな事をしても良いと思っているのか!!君は自分のしていることが恥ずかしくないのか!!」

 

 

と、妙な口調で抗議をはじめました。今度は同じように不機嫌だった僕がそれにキレてしまい、妙な踊りをしている車に目掛けて空き缶を投げました。

 

カランツ!カランッ!

 

「君たちはそんな事をしていいと思っているのか!!君たちは自分たちがしていることが恥ずかしくないのか!!」

 

「頭足りねーのかよw さっきと同じこと言うんじゃねーよw」

 

僕等の様子にバカ受けしていたサトーは、僕のマネをしてコーヒー缶を車に投げつけました。しかしそれは僕と違って残量満載のものでした。

 

ガツン!バシャ!

 

車の周りが異変に気が付き、ずっと当目で騒ぎ見ていた警察官が、めんどくさそうにこちらに歩き始めました。それを機に僕等は素早く改札に滑り込み、実にふざけたこの代々木駅の喧騒とさよならしました。

 

 

新宿NSビル展望台 8:56PM 

 

週末、僕らはミドリちゃんと一緒に新宿NSビルの展望台にいました。

 

ミドリちゃん、ヤマダちゃん、イケさん、イチモト、サトー、ジムモリソン男、そして僕。

 

眼下に見える明治神宮の暗闇は、まるで僕らの心にぽっかり開いた大きな穴の様でした。みんなでしんみりしていると、

 

「3年したらあの辺に馬鹿でかいビルが建つんだよ」

 

とイケさんが言いました。

 

「横浜に高さ300mのビルを建てるんだよね」

 

ヤマダちゃんが答えました。

 

「横浜? 見えるかなあ?」
「かなり大きいみたいだから絶対見えるはずだよ」
「へえ・・・」

 

それを聞いて僕はある事を思いつきました。

 

「4年経ったらここでみんなで会わない?」

 

「いいねえ! 4年後の今日、8時56分!」
「4年後だったら帰国してるもんね」
「少なくとも4年間は生きてみるとするか!」

 

 

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新宿駅でみんなと別れ、僕は新兼荘で独り、ミドリちゃんとのお別れをかみしめていました。そうこれは、これから始まるであろう、数多くの「別れ」の始まりなのだと・・・僕にもそれが深く理解できていたのです。

 

第一回センター試験がすぐそこまで近づいていました。

 

※写真はその日の「僕とミドリちゃんとジムモリソン男のスリーショット写真」のはずなのですが、サトーに撮影を頼んでしまったため・・・

 

つづく

 

 

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