ころまろ☆昭和45年男

毒舌ネットコメンテーターのサブカル話。たまに愛。

【平成2年の今頃の話13】プレゼント 、ZOO【 愛をください】

スポンサーリンク

※ここは常に30年前の今頃を語るカテゴリイです

 

センター試験で知り合った芸大音楽科志望の女の子が僕の予備校に登場した・・・からのつづきですね。

 

  

 

 

 

「プレゼント」

 


ジッタリン・ジン / プレゼント ( Jitterin’ Jinn / Present )【MV】

 

前年秋に「エブリデイ」でデビューしたジッタリンジンが、サードシングルの「プレゼント」でブレイクしました。 

 

f:id:koromaro:20200216060125j:plain

 

それでこの曲の「二股をかけていた彼氏からもらったプレゼントを延々と羅列する」というあまりにも斬新な歌詞が話題になりました。では以下 「あなたが私にくれたもの」を書きだします。

 

・キリンがさかだちしたピアス  
・フラッグチェックのハンチング
・ユニオンジャックのランニング
・丸いレンズのサングラス
・オレンジ色のハイヒール
・白い真珠のネックレス
・緑色した細い傘
・シャガールみたいな青い夜
・グレイス・ケリイの映画の券
・ヴィヴィアンリーのプロマイド
・バディ・ホリーのドーナツ盤
・ヘップバーンの写真集
・お菓子のつまった赤い靴
・テディベアーのぬいぐるみ
・アンデルセンの童話の本
・夢にまで見た淡い夢
・ヒステリックなイヤリング
・ボートネックのしまのシャツ
・道で売ってるカレッジリング
・マーブル模様のボールペン
・アメリカ生まれのピーコート
・中国生まれの黒い靴
・フランス生まれのセルロイド
・あの日生まれた恋心

 

どーですか・・・

でも当時はさすがはバブルというべきか・・・

「本命でもないのにプレゼントしすぎだけど…大した高いものはないし、これくらいプレゼントする男もいるにはいるだろうな」

なんて思っていたものです。うん。恐ろしいですね。

 

 

芸術系の高校

 

僕とNONは代々木駅に向かって歩いていました。

 

「びっくりしたよ」
「演奏会のパンフレットを届けようと思いまして」
「そうそう明日がその演奏会だよね」
「はい、だからすぐ学校に戻らないといけないんです」

 

僕はそこでイケメンミズキが息を切らせて僕を探していたわけが解りました。

 

「でも高校の事務で演奏会は無いって聞いちゃってさ」

僕は頭の中で『イケさんがね』と唱えました。

 

「はい、私は芸大付属音楽高校在学ではないのです」
「へ?」
「私は都立芸術高校の生徒なんです」
「あ!ほかにも音楽の学校があるんだ!」

 

僕が上京して驚いたことの一つに「芸術系の高校」があるという事がありました。美術という教科そのものがない高校にいた僕からすると、それは本当に贅沢で羨ましいものだったのです。

 

しかもそれは一つではないという話なんですな。工芸高校やらなんやら・・・僕は自分の聞き間違いを棚に上げてイラっとしてしまいました。

 

『なんて贅沢な奴らなんだ』

 

 

「ZOO」

 

 

いわゆる「イカ天バンド」に対するアレルギーというのは、プロのミュージシャンの中にも沢山おりました。そしてその筆頭がエコーズの辻仁成だったのです。そうです。『自分と子供を捨てた中山美穂に対して、静かな復讐を延々とやり続けるあの人』ですね。はい。そんな彼は当時

 

「ジッタリンジンが日本武道館でデビューライブをするのを見て、音楽活動に対する情熱が無くなってしまった」

 

とまで言っているのですね。実際、それを裏付けるように、この頃から彼は執筆活動に重きを置き、翌年にはエコーズも解散してしまいました。

 

とはいえ、この年はエコーズ全盛期というべき年で、川村カオリへの提供曲だった「ZOO」のセルフカバーヒットや、自身初の武道館公演の成功など、何気に色々と活躍していたのです。

 


ECHOES ZOO

 

そんなわけでジッタリンジンの「プレゼント」と、エコーズの「ZOO」を続けて聞いていただくと、皆様にもなんとなくあの時代の空気感のさわりのようなものを、多分感じていただけるのではと思っております。はい。

 

 

土足厳禁

 

渋谷に向かう山手線の車内で僕らは会話を続けます。

 

「昼間だったので誰もいないと思ったのですが・・・」
「そこにジムモリソン男とイケメンミズキがいたわけだ」

 

僕はその光景を想像しようとしましたが、どうしても目の前の上品な子が、あの新兼荘にいるという絵柄が想像できませんでした。

 

「『今メロドラマ視ているからちょっと待ってね』って」

 

NONはそこで可笑しそうに笑いました。
僕は見とれないように我慢します。

 

「そういえば靴を脱がなくていいと言われたのですよ」
「は?」
「この部屋はアメリカ式だから土足でOKだって」
「もしかしてあいつら土足だったの!?」
「はい」
「あいつら!昼飯でも買いに行ってそのままだったんだな」
「そうなのですか・・・ごめんなさい」
「いや、君が謝ることないよ」
「でも・・・」
「いやいや、むしろそれで良かったよ」

 

僕は笑いました。


そう、実際そんな事どうでも良かったのです。
ただこうして、もう一度会えて良かったなと。

 

再会のパスポート

 

僕はNONから演奏会のパンフレットを受け取り、渋谷駅でさよならしました。

 

「俺も今から帰って絵を描かなければいけないからさ」
「はい。演奏会に来て頂けるのは本当に嬉しいです」
「うん、楽しみにしているよ。じゃあまた明日」

 

といって、僕はクールにNONに背を向けました。そして背中に感じる彼女の視線を消すために、雑踏に飲み込まれていきました・・・

 

といいつつ。

 

30分ほど時間を潰したのち、僕はNONの後を追うように都立芸術高校に向かいました。そうです。僕は方向音痴なので、翌日迷子にならないように、さらには万が一でもNONに見つからないように、実に密かにリハーサルしたのでした。

 

「試験にしろ演奏会にしろ、やっぱり下見は重要だよな」

 

なんて自分に言い訳をしながら・・・

 

つづく

 

www.koromaro.com

www.koromaro.com


TOP

スポンサーリンク