ころまろ☆昭和45年男

毒舌ネットコメンテーターのサブカル話。たまに愛。

【新宿ナイアガラの滝をテルマエ・ロマエに】令和2年に語る平成2年の今頃の話その31【予備校編最終回】

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※ここは常に30年前の話をするカテゴリイです

30年前の今頃の話ですね。
予備校編の最終回です。


 

石膏像の処分問題

相棒であるジムモリソン男が新兼荘を引き継いでくれることになり、僕の引っ越し作業はがぜん楽になりました。しかしながら・・・ここに来て大きな問題が・・・大きな問題というか「大きな物体」というか・・・

 

それは僕が新兼荘に持ち込んでいた5つの石膏像だったのです。こんなの人が住む4畳半一間に置いておくものではありません。ほんと、どんな美術準備室だよという・・・。

 

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「やっぱりいらない・・よな?」 

 

僕はジムモリソン男に尋ねました。

 

「いるわけないだろ」

 

そりゃそうです。一体、何のために予備校に通うんだって話ですよね。

 

アリアスだけ持っていく

 

僕は5つ石膏像の中から「アリアス」だけを、小平の引っ越し先に持っていく事にしました。これはリシア神話の「とりわけ潔らかに聖い」お姫様でありまして

 

「恋人を逃がすため父親を裏切ったので、このような伏し目がちな表情をしている」

 

という像なのでした。ですので僕の大のお気に入りの石膏像だったのです。

 

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(のちにそれが大間違いだったことが判明するのですが)

となると、残りの4体の石膏像をどうするかという話ですが・・・

 

夜の新宿中央公園

 

その夜、石膏像を抱えた怪しげな二人が新宿中央公園を歩いています。

 

「この辺で良いかな」と『ブルータス』を抱えた僕が聞くと、「ああ、とっとと戻ろうぜ」と、重めの『セレネの馬頭』を抱えたジムモリソン男が答えます。

僕らは二つの石膏像を地面に置き、新兼荘に戻りました。

 

30分後、またしても怪しい2人組が、大きな石膏像を抱えて新宿中央公園の闇の中を歩いています。

 

「ふう~ 二往復は流石にきついなあ」

 

僕らの背後には「出来かけの都庁」と「センチュリーハイアット」がそびえ立っています。そして僕らの前には「新宿ナイアガラの滝」が広がっておりました。

 

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「新宿ナイアガラの滝」を「トレヴィの泉」に

 

いらない石膏像は予備校に持っていって処分してもらえば一番良かったのですが、2人で相談しているうちに

 

「せっかくだからあの地味な『新宿ナイアガラの滝』に石膏像をデコレーションしてみよう」

 

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と、話がまとまってしまったのです。当然、イメージとしては「トレビの泉」ですね。気分はニコラ・サルビィです。

 

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※もちろん不法投棄という犯罪で今は反省してます。でも当時はただ捨ててしまうより、より良い活用方法はないかと、僕らは真剣に勘違いしていたのです。すみません※

 

僕らはお互いにチェックしつつ、4つの石膏像をバランスよく配置しました。まさに早すぎる『テルマエ・ロマエ』。新宿の新名所誕生です。

 

「素晴らしすぎるだろうこれは!」
「明日みんなびっくりだな!」

 

僕らは大満足で帰路につきました。

 

 

 

 

広々とした四畳半にて

 

4つの石膏像が無くなった新兼荘・・・

そこは四畳半でありながら体育館のような広さを感じました。

僕らは母親に買ってもらったヘネシーを飲み干し、すっかりと酔っぱらってしまい、広々とした部屋で寝る事にしました。

 

電気を消してしばらくするとジムモリソン男が

 

「ツノダ、起きてるか?」

 

と聞いてきました。でも・・・声のトーンがいつもと違うので僕は返事を保留しました。

 

「二浪目だからな。今度は学科も本腰入れて頑張るよ」

 

「だけど・・・次はムサビは受けないぜ」

 

「お前とは一生分つるんだからな。これからは別の学校でやっていこうぜ」

 

「お前と同じ学校だったらつるまないわけないしさ・・・それじゃお互い良くないと思うんだよ。ライバルなんだからこの辺で線を引かなきゃな」

 

 

それを聞いて、僕の胸に、なんとも切ない思いが込み上げてきました。

 

 

「ああ、わかってるよ・・・」
「でも・・・たまにはここに遊びにきても良いよな?」

 

「もちろん、俺が泊めてもらった分は泊めてやるよ」

 

 

それを聞いて僕は少し安心して眠りにつきました。

 

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夕陽の先に

翌日。

大袈裟な4トントラックで来た二人組の引っ越し業者は、僕の荷物のあまりの少なさに揃って絶句していました。

 

「一緒に乗っていかれますか?」
「お願いします」

 

僕はジムモリソン男に見送られながら、一年間過ごした新宿を後にしました。

トラックは青梅街道を夕陽に向かって進みます。新宿を振り返ろうにも、僕は左右を業者に挟まれ身動きできません。

 

上京から一年。

存在感のありすぎる奴らと、あまりにも強烈な出来事を積み上げてきた日々。

 

さよなら新宿。
さよなら新宿KIDS。

 

たとえ積み荷は少なくとも、トラックの中はあふれる僕の想いでパンパンになっていました。

 

『さてさて・・・』
『また始まるんだな』

 

まばゆい夕陽に目を閉じるとNONの姿が思い浮かびます。

 

『うまくやれるさ、きっと』

 

トラックは新生活へ向かって、どんどん進んでいきました。

 

 

 

<30年前話 予備校編おわり>

 

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