ころまろ☆辛口エンタメ塾

毒舌ネットコメンテーターのサブカル話。たまに愛。

僕とミニバスその21「ニセ審判覚醒!?」

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ここは僕が子供のミニバスに極端にハマっていく過程を紹介するカテゴリイで、現在は僕が「バスケットボール審判講習会」に間違って参加して、相当ヒドイ目にあったという話をしております。

 

※ここまでのあらすじ※

間違って上級者向けの「審判講習会」に参加してしまった僕は、トップバッターで「ライバル高校同士の因縁対決」の審判をすることになってしまいました。混乱する僕をよそに試合はどんどんヒートアップし、ついにはワンマンチームのエース選手(タレントの照英にそっくり)が膝を負傷してしまいました。

 

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相手チームがタイムアウト

タイムアウトが終わり2ピリが再開です。先ほどまでは何とか走っていた照英ですが、今はほとんど摺り足で歩いています。それでも回されたボールはちゃんとキープし、味方に指示を出し、ノールックでパスを通していきます。

とは言え、そんな状態でイケメンチームと互角で張り合えるわけもなく、ここに来てロースコアで保たれていた均衡が崩れ始めました。相手のカウンターに対し、一番自陣近くにいるのは照英ですが、やはり彼は走って追うことができません。イケメンチームがそのそばをすり抜けて楽々とレイアップシュートを決めます。続けて3本決まって点差は8点に。

 

『このままいくと大差になるなあ』と僕がボケっと考えておりますと、

「タイムアウト 青です」とテーブルオフィシャルの女の子が告げました。そうです。今度はイケメンチームのコーチがタイムアウトを取ったのです。奴は不愉快丸出しでふんぞり返っており『何で俺様がこんな事をやらなきゃいけないんだよ』と顔で語っておりました。

 

一方の照英チームのメガネコーチはといいますと、もう彼は万策尽きたという表情で

「試合は一旦、棄権しよう」

と照英たちに告げたのです。当然ブーイングの嵐です。

仲間「なんだよそれ!」
仲間「はあ?どうすんの?」
眼鏡「あとの試合は俺が代わりに出るから」
仲間「そんなの変だよ~このままで大丈夫だよ〜」

床にベタすわりでアイジングを受けていた照英も振り返って抗議します。

照英「だから俺は出来るって!慣れっこなんだよ膝は!」
眼鏡「相手のコーチはお前の為にタイムアウトしたんだぞ…」
照英「そんなの相手の勝手じゃねえか!情けかけられたから負けなきゃいけないのかよ!そんなの変じゃねえか!」

眼鏡「おい!照英!」

さすがのメガネコーチも少々声を荒げました。案の定、なかなか話がまとまりません。

 

ハーフタイムまで頑張る

 

イケメンチームのベンチを見ますと、例の偉そうなコーチは、5人分くらいの椅子に、両手を大きく広げドカッと座ったままでいます。その表情は先ほどと変わらず不機嫌極まりなく

『おいおいおい、この状況はどうしてくれるもんかな?こっちはやれることはやってあげてるんだからねえ。全くこれだからオツムの弱いチームは困るよ。審判もなんだかわけの解らない素人さんだし、なんでこんな低レベルなものにウチが付き合わされなきゃいけないのかねえ』

と、顔で器用に語っていたのです。それに対して僕は

『くっそえらそうにお前、ふざけたことぬかしてるとディスクオリなんとかファウルで退場させるぞ!そもそもお前、俺をそのへんのガキだと思っているだろうが、実はお前より年上なんだよ。これはいわばアンチエイジングの賜物なんだよ!』

と、顔で語り返してやりました。いわばテレパシーでの罵り合いですね。これは偏差値的に照英チームにはできない芸当です。

 

照英「じゃあハーフまではやらせてくれよ」
眼鏡「お前なあ・・・」
照英「ハーフで負けなら負けで認めるから…頼むよ!」
仲間「それでいいよ!もともとこいつのチームだしな」
仲間「照英が納得するまでやりゃいいよ」
照英「おめえたちってやつは・・・」

 

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メガネコーチも苦笑いを浮かべています。どうやらこのまま照英にやらせるつもりです。まるで青春ドラマです。友情パワー。実に熱いシーンです。しかしながらこの試合は「インターハイ出場が懸かった県代表決定戦」でも「負けたら引退のウィンターカップトーナメント戦」でもないのです。そうです。これは単に

 

「北相模地区の審判技能講習用の練習試合」

 

でしかないのです。ほんとその「練習試合」というジャンルにおいても、重要度はかなり低い試合と言わざるを得ないようなモノなのですね。そんなわけで僕は『みんな正気を保て!イケメンチームは呆れているぞ!』と必死にテレパシーを送りましたが・・・やはり照英たちには受信能力は無いようです。タイムアウトの時間は終わり、僕はまたしても面倒な試合を再開させなければならなくなりました。

 

審判として腹を決める

 

さてさて、優柔不断と無責任と青春劇場が入り乱れる妙な練習試合。僕はここにきて「この場をどうこうする権限」というのは審判にしかない事にようやく気が付きました。そう思うと悪い意味での開き直りの気持ちが出てきます。やる気スイッチオンですね。そして一旦スイッチが入ってしまえばこっちのものなのです。何だか感覚が冴えてくるもので「この試合は俺に任せろ!」と、まるで映画のジャイアンばりの無茶な心境になっていったのです。

 

第2ピリオドの残り4分から試合再開。僕の熱意とは裏腹に静かな立ち上がりです。攻める照英チームは相手のエリアで素早くボールを回しています。厳しいチェックをかいくぐり、高校生男子ならではの強烈なチェストパスが次々と繋がります。そして肝心かなめの照英はというと・・・膝が悲鳴をあげている彼は、右サイドのほとんどセンターラインのそばに留まっておりました。

 

審判覚醒! 


そんな中、完全に調子に乗った僕の感覚は無駄に冴えわたっておりまして、実はこの状況下において、照英たちがやろうとしている事が、手に取るように見えていたのです・・というか単純すぎてミエミエなのです。しかしながら、なぜかイケメンチームはそれに気が付いていない様子でした。

ポイポイと回っていたボールが遂にセンターに入り、ターンシュートの構えです。イケメンチームはそれに備えゴール前を固めます。するとセンターはシュートフェイントをして、鬼のような猛スピードのチェストパスをあさっての方向に飛ばしました。

『バシッ!』

それを受け取ったのは密かに3ポイントラインまで上がってきていた照英です。イケメン4番がそれに気が付き必死に手を出していきますが、時すでに遅し。照英はじっくりとセットしてからロングシュートを放ちました。

僕は待ってましたとばかり右手の3本指を宙高く掲げます。

『パスッ!』

見事に3ポイントシュートが決まり照英チームは大盛り上がりです。僕は両手の三本指を気持ちよく掲げました。憧れの3ポイントジェスチャーです。

一方のイケメンチームは実に悔しそうにしております。そりゃこんな絵にかいたような3ポイントを手負いの人間に決められたら悔しいでしょう。うん。照英チームは過剰に喜びすぎですしね・・・そしてその様子を見ながら僕は

『何でイケメンのやつらはこんなミエミエな攻撃が解らないんだろう?単純な照英チームの狙いなんて解りきった事じゃん。もしかして君たちは勉強ができるだけで、実は頭の回転はのろいのかもね?』

などと失礼な事を思っておりました。そして多分それが顔に書いてあったのでしょう。華麗に3ポイントの手を掲げてご満悦の僕を、あのイケメン4番がチラ睨みしました。顔はともかく、少なくともやることは師匠の不愛想コーチにそっくりです。

そしてその瞬間、イケメンが何を考えているのか・・・つまりイケメンが次のプレーで何をやろうとしているのか、僕にはハッキリと解ったのです。「お前はサトラレかよ」っていうくらいに。

イケメンがボールを持ってドリブルで駆け上がります。それに立ちふさがろうとした照英ですが、イケメンは信じがたいスピードでフロントチェンジして一瞬で抜き去りました。

 

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イケメンはそのまま右45度から制限区域に侵入し、ディフェンスの隙間を強引に突破していきます。その姿はまるで1ピリオドの時の照英の様でもありました。そう、おそらく彼はあえてそうしたのでしょう。もうレイアップシュートには絶好の位置です。しかしイケメンはシュートを放たずボールをキープしたままゴールエリアの深くまで入り込みます。たまらず接触するディフェンス陣。

『ピ―――!』

僕は右手のゲンコツを挙げてファールを告げました。しかしながら案の定イケメンは止まりません。イケメンは体勢を崩しながらゴール下を抜けると、空中で振り向きざまバックシュートを放ちました。

『パサッ!』

ボールは直接ゴールネットに吸い込まれました。それを見た僕は掲げていた右手を、まるで「野茂英雄のトルネード投法」のごとく思いきりためてから

『カウントワンスロー!!』

と、ズバッと振り下ろしコールしました。その姿はまるで「初代遠山の金さんの中村梅之助の生き写し」というべき気風の良さです。そう、僕はまさに審判の極みでありました。

 


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これ以上ない形で3点プレーをやり返されたことに、照英チームは得点以上のショックを受けたようでした。みんなガックリと腰を落とし膝に手をついています。僕はそれを見つつ、

 

「照英、君たちの10秒くらい前のはしゃぎっぷりはどうしたでしょうね。あれは好きなはしゃぎっぷりでしたよ。そもそもイケメンが速攻でやり返しに来ることぐらい考えておきましょうね」

 

と、人間の証明的に、実に上から目線で思っておりました。まあとは言え本当は

 

「それで・・・何番がファールしたんでしょうね・・・」

 

と焦ってもいたのですが。


つづく

 

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