ころまろ☆辛口エンタメ塾

毒舌ネットコメンテーターのサブカル話。たまに愛。

僕とミニバスその21「なあ照英、お前で終われてよかったよ」(素人審判の受難編最終回)

スポンサーリンク

ミニバスケットの「審判初心者教習会」に参加したつもりが、いきなり「ライバル高校同士の練習試合」を裁くことになってしまったという僕の受難話。いよいよ最終回です。

 

f:id:koromaro:20200628220243j:plain

 

 

 

勝負はついた

「バスケットカウント!」 

(シュートモーションの間にファールを受け、なおかつそのシュートが決まった時のこと。シュートは得点としてカウントされた上に、フリースロー1本が与えられる。通称バスカン) 

 

強引かつ華麗にバスカンを決めたイケメン4番。一瞬見せた憤怒の表情は既に消え去っており、端正な顔立ちのままフリースローラインに向かいます。

一方の照英チーム。彼らの士気の低下は気の毒なほどで、ディフェンスの構えを見ても「絶対にリバウンドを獲ってやる!」という意気込みが、そこには塵に一つも感じられませんでした。

そして照英はというと・・・先程イケメンに抜き去られたセンターライン付近で、首を傾げたまま立ち尽くしています。どうやらアドレナリン切れた様子で、彼の顔には脂汗が浮かんでいました。

『パサッ!』

ここであっさりフリースローを決めるのがイケメンのイケメンたる所以です。それはまさに「無慈悲な一撃」と呼ぶより他にない完璧なショットでした。それにより照英チームの心はポッキリと折れてしまったようでした。

 

レフリーストップ

僕は「無慈悲な一撃」というものが、この世に「朝鮮中央放送のマンセー報道」の他に実際にあるのだと、このときに初めて知りました。そして

 

『この辺が潮時かもな』

 

僕は笛を吹きレフリータイムを取りました。とは言え、そのジェスチャーは思い出せません。僕はそのまま照英の方に手をむけ、もう一方の手をボクシングのレフェリーストップのように左右に振りました。

 

「もう無理だよね。これ以上はさせられないよ」

 

僕は手を振りながら、まるでボクシング界の殿堂入りレフリーであるリチャード・スティールが、チャベス対テーラーの最終ラウンド残り2秒で止めた時のような、優しくも威厳のある表情で照英を見つめました。

 

f:id:koromaro:20200628220336j:plain

 

照英は一瞬僕と目を合わせると(この時、始めて照英と目が合った)、くるりと背中を向け腰に手を当て

 

「いや、やれるって!いや、やれるって!!」

 

と、あさっての方向に叫んでいます。その姿を見つつも僕は

 

"No fight is worth a man's life"
(人の命に代えられる試合なんて存在しない)

 

と、すっかりスティールになり切っておりました。

 

ようやく教官が登場

すると騒ぎを聞きつけ、ここで初めて審判教習の教官 (柳沢慎吾似) が僕のところにやってきました。

 

f:id:koromaro:20200628220420j:plain

 

「いかがされましたあ~?」

『いかがされたじゃねえよ、この合コン野郎が!』

 

と僕は思いましたが、かくかくしかじか説明しますと

 

「わっかりましたあ〜。では僕が照英チームに入ります。このまま続けてくださ〜い」

 

と柳沢。その後は柳沢の馬鹿テクに驚嘆しつつ、更にはプレイヤーである彼に直接審判指導されつつ、あっという間に2ピリの残りが終わってしまいました。

 

「ではここで試合終了です。お疲れさまでした」

 

僕はようやく終わりの見えない戦いから解放されたのです。僕以上にホッとした表情を見せる眼鏡コーチ。イケメンチームの不愛想コーチも「あーおわったおわった」という顔を器用にしています。そうです。僕は青天の霹靂というべきピンチを何とか乗り切ったのでした。

しかも3ポイントやバスカンのみならず、一度やってみたかった「レフリーストップ」のジェスチャーまでやれたのですからね。まさに「我が審判人生に一片の悔いなし」という心境でした。まあ僕の審判人生など、そもそも始まっていなかったわけですが・・・

 

女審判との別れ

そんな多幸感に包まれている僕の所へ、それまで気配を消していた女性審判が今さら近づいてきました。彼女は

「ううん・・・何といっていいのか・・・初めてだったのですが・・・ずっとリードして頂いて・・・んもう、本当にありがとうございました」

と、中村晃子張りにタメにタメまくってお礼の言葉を述べると、そのまま足早に走り去っていってしまいました。

 

www.youtube.com

 

『お色気&バックレなんて、お前はお銀かよ!』

と、僕が悪代官のように口惜しく思ったのはここだけの話ですが・・・とは言え、ある意味彼女も被害者だったのです。僕が開き直りでピンチを乗り切ったように、彼女もまた彼女なりの方法でピンチを乗り切ったのでした。きっと彼女も僕同様、今後二度とバスケの審判など興味を持つことは無いでしょう。

 

お前で終われてよかったよ

全てをやり終えた僕が体育館から颯爽と去ろうとすると

(本当はこのままどんどん試合が進んでしまった場合、トップバッターの自分にもう一度、審判のお鉢が回ってくるかもしれないと恐れていたのです)

 

f:id:koromaro:20200628220534j:plain

 

体育館の隅っこに照英が頭からタオルを被って座り込んでおりました。フェミ男マネージャーと女子マネージャーがべそをかきながら照英の膝をアイジングしております。

 

「なんでいつもこうなんだよ・・・なんでだよ・・・」

 

照英はタオル越しにぶつぶつ言っております。僕はその光景を見て

 

『こんな草試合でアホみたいに頑張るお前のせいだよ』

 

と思いましたが

 

『でもね、それがあなったの〜 いいと・こ・ろ♪』

 


いいなCM サントリーダイナミック 山口智子「それがあなたのいいところ」

 

とも思いました。そして僕は照英の前を通り過ぎつつ、

 

『なあ照英、俺の審判がお前で終われてよかったよ』

 

と心の中でつぶやきました。それはまるで勇退する岡田監督が藤川球児に言葉をかけたシーンそのものだったのです。

 

f:id:koromaro:20200628220502j:plain

 

おわり

 

www.koromaro.com

 

 

TOP

スポンサーリンク