名曲『想い出がいっぱい』は、 既に中堅ミュージシャンだったH₂Oに白羽の矢を立て、豪華スタッフが集結して制作したという「売れるべくして生み出された作品」です。それゆえにH₂Oの感じたプレッシャーは大きかった事でしょうね。
『想い出がいっぱい』
1983年にアニメ版「みゆき」の主題歌として生まれた曲です。
シングルレコードは両A面として発売され、「想い出がいっぱい」はエンディングテーマに、一方の「10%の雨予報」はオープニングテーマに起用されました。
オリコンの最高位は6位でした。これはH₂Oの初のトップ10ヒットであるだけではなく、テレビアニメの主題歌として初のトップ10ヒットを獲得した曲となったのでした。
『H₂O』について
1980年に赤塩正樹と中沢賢司が結成した男性デュオです。アミューズ所属のアーティストで、同事務所のサザンオールスターズの次を狙う存在と期待されていました。
バンド名については「水のように透き通ったハーモニー」や「音楽で化学反応を起こす」や「人にとって欠かせない存在」など、その由来に諸説あります。
しかしながらなかなか売れずに時は過ぎ、このプロジェクトの直前には、事務所から「もう後がないぞ」と最後通牒を受けていたのです。
豪華制作陣
この曲から山口百恵のプロデューサーとして有名だった川瀬泰雄氏がH₂Oのディレクションを担当することになりました。その流れでの『みゆき』の主題歌製作は、作詞を阿木陽子氏、作曲を鈴木ギザブロー氏が担当するという、かなり力の入ったプロジェクトになりました。 それについて赤塩は
「ヒットしたのは嬉しかったが、自分たちの曲ではなかったので、有難さと悔しさの両方があった」
と当時の心境を語っています。
結局、この曲を上回る曲は生まれず、残念ながらH₂Oは2年後に解散の道を歩むことになりました。そしてそれから35年近く経った今現在、両者ともに音楽活動を継続中です。
誰の視点の歌?
僕はこの曲を聞くと、中学の水泳部時代の2つ年上の先輩を思い出すのです。美人だけど怖かった副部長・・・でも笑顔が・・・という1983年の夏。あまりにも短いメローイエローな想い出ってやつですな。はい。
それで僕はむかしから『この曲の視点』と言うものがわからなかったのです。「いい曲ふうだけど、一体どういう立場の人間の歌なんだ?」って、ずっと疑問だったのです。
それが4年くらい前、久々にこの曲を聴きながら、久々にあの夏の日、あの懐かしい横顔を思い出していると・・・
「あれ?これって今の俺の心境じゃん!」
となったという話なのですな。はい。
ちなみに副部長。
今では有名女性経営者になっております。さすがだなあと。
「想い出がいっぱい」歌詞
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