今日は僕が30年以上聴き続けている夏歌です。
「白い渚で」オフコース
1987年にリリースされたオフコースのアルバム『as close as possible』に収録されているナンバーです。このアルバムはオフコースの3年ぶりのオリジナルアルバムであり、ファンにとっても待ちに待った作品になっていました。
4人体制になってからの彼等は、常に全米進出を念頭に置いておりました。アルバムのレコーディングもLAの最先端のスタジオで行っており、それゆえに全体的に音が夏っぽい『西海岸風のシンセポップサウンド』になっています。オフコースはかつてタモリ氏に「ネクラ」と言われていた事がありましたが、このアルバムはそんな事がまるで嘘のような、とても明るい雰囲気のものになっているのです。
しかしこのアルバム…
トータルのクオリティにいささか疑問を感じるというか…バンドのオリジナルアルバムとしては、あまりにも実験的な要素が多すぎて、要はまとまりに欠けているのです。
思いつくままあげても『清水仁の楽曲制作とメインボーカル起用』『英語歌詞曲』『外部楽曲の採用』『松本一起作詞曲』『秋元康作詞曲』『大貫妙子とのデュエット曲』『坂本龍一のゲスト参加』などなどなど…本当に様々な取り組みがありすぎたのですね。
それを「バラエティに富んでいる」と言えば聞こえはいいですが、やはり雑多な印象を感じててしまうのは否めませんし、それに何よりも、その登場人物の多さが故にバンドの要である小田さんの影が薄くなってしまっているのです。ですので、元来のオフコースファンからは敬遠され、商業的にも今ひとつの作品になってしまいました。
この曲はそんなアルバムの中の隠れた佳曲ですね。とても耳障りの良い曲で、僕も夏場には必ず聴いております・・が、しかしながら何か音的に物足りない感じがするというのも正直なところなのです。その足りなさというのは、やっぱり「鈴木康博が抜けた」という、このバンドそのものの、致命的な問題だったのだろうなと思ったりします。
結局とどのつまり、このアルバムでも色々と実験をしてみたけれど、どうにもこうにも駄目だったという事なんでしょうね。
夏歌集
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